ゴッホといえば、自分で耳を切った事件。とか、精神を病んで自殺した狂気の作家。バブルの真っただ中に「ひまわり」の絵を日本の企業が58億円で落札。他にも数百億円で落札した…なぜか他の話題でとても有名な画家ですね。
多くの人は、彼の悲劇的な人生。そんな先入観から色眼鏡で見ていたのではなかったかと思いました。
ゴッホの本当の姿は?
当時のヨーロッパでは、「浮世絵」がとても流行っていたことは有名ですが、特にゴッホは衝撃をうけ、浮世絵の手法は言うまでもなく、こんな絵を描く神秘的な日本人に憧れ、想像力を膨らませていったのです。自身でも400点ほど所有していたそうです。彼の後半の絵が変わっていったのは、浮世絵から強い影響を受けていたとは!!全く知りませんでした。あの有名な「ひまわり」でさえも、ゴッホは「西洋の浮世絵」として描かれたものなのです。ゴッホは、画家としての活動は、たったの9年間。その短い期間で2000点余りもの絵画を残しました。しかし、生涯で売れた絵は、たったの1点だったそうです。けして平穏な人生ではなかったですが、純粋に意志を貫いた生涯ではなかったでしょうか。
そんな本質に迫った講義内容でした。
~講演を終えて~ 川瀬 由有希
今回の“アート鑑賞レクチャー”では、現在開催中の『ゴッホ展』をより楽しんで頂けるよう、展覧会で出展のある絵画を中心に「ゴッホ鑑賞のツボ」を紹介させて頂きました。
その際、ただの“ゴッホの情報を提供するレクチャー”にならぬよう、私が独自の観点で選んだ、他の画家による別作品と見比べを通して、皆さまが、皆さまなりの「ゴッホの魅力」を見出して頂けるようなナビゲートに努めました!また今回は、短時間に少々多めの情報を詰め込んだレクチャーだったので、『的を得た「ゴッホ鑑賞のツボ」をお伝え出来るか』というのが私自身の挑戦でしたが、レクチャーのトリを飾る作品比較鑑賞の際に、「この作品の下の部分は初期のタッチだけど、上は晩年期のタッチだよね。」という、この度レクチャーを受講されたからこその感想を頂いたり、「ゴッホに対する固定観念が薄れて、また別の見方が出来そう!」という、アート鑑賞ナビゲーター冥利につきる感想も頂け、なかなかに手応えのあるナビゲートが出来たと思っております!